ある晴れた金曜日の朝、若宮小学校の登校時間。通学路を見回るスクールガード活動に集まられたのは、若宮校区「ねんりんクラブ連合会」のみなさん。それぞれにジャンパーとキャップをまとい、受け持ちの場所へ。
――おはようございます。毎日どのように立たれているのですか?
17箇所のポイントがあります。日によって参加できる人数は違いますが、青パト巡回もするので、10名から15名で持ち回るようにしています。一週間で延べ85箇所ほど、毎朝7時半から8時20分頃まで、登校時の安全を見守っています。
――校門前の横断歩道は、一番気を付けてほしいポイントですね。
そうですね。通学する児童のほとんどが、ここを横断しますから。押しボタン信号でも、点滅は止まれ。みんな、しっかり守ってくれています。主要道路から一本入った道なのですが、利用する車も多いので、ちゃんと歩道を歩いてくれ て、ここから渡ってくれるのは安心です。通学路沿いに住んでいるメンバー宅へ常備している、標識看板も毎日役立っています。
視界も限られ、カーブミラーだけでは心細い通学路。そこを運転される方々も安心できるのではないでしょうか。青パトからの軽快な挨拶の声も、元気な登校を守ってくれます。子供たちはもちろん、保護者も先生方も心強いことでしょう。校門に一緒に立っていらした校長先生にも、少しお聞きしました。
――お互いに顔を見て、元気な挨拶。安全面だけでなく地域交流のよい時間ですね。
はい、これも学習の一環となっています。登校から学校生活まで、他にもいろいろお世話になっているんです。だから、児童もメンバーみなさんのお名前を覚えています。 名前を付けて挨拶をするという、我が校の伝統があるのですが、それを実践する場にもなり、毎朝みなさんとお会いできることは、そういった面でも大切な時間です。
児童代表によるお礼の声が高らかに響き、朝の活動もひと区切り。次の予定に向かわれるまでの間、クラブについて教えていただきました。
――他にはどんな活動をなさっているのですか?
いろんな学校行事に参加します。春にある〝いもの苗植え〞や秋の〝いもほり〞と〝おいもパーティ〞の手伝い、昔遊び交流、歓迎遠足に付き添いもします。〝安全マップづくり〞といって、地域の危なそうな場所を子供たちと一緒に周って調べる行事もあります。体力測定の補助と記録もやるし、授業参観後の保護者会時に児童を預かることもやっていますよ。学校行事とは違いますが、町内パトロールもしています。第1・第4火曜日の夜、月に2回、校区内を見回っています。
――あまりお聞きしない内容もありますね。親が世話をしてくれていた時代からは想像できませんけど・・。
いまは共働きだったり、なかなか手伝える人も少ないですからね。時間があるからできることですよ。PTAも頼りにしてくれていますので、学校から依頼があれば、親に代わって孫世代の世話を、という感じです。足腰も弱くなってきますけど、好きだからこそ携われるし、子供たちからも元気を貰えますから。時代は変わっても、自分たちが子育てしていた時と同じようなものです。
――大変なこともありますよね?
やっぱり雨や雪など悪天候だとしんどいです、登校時の活動は。暑いのも、くたびれます。時に、通りかかる車の方から意見されたりすることもあったりします。とはいっても、大半は協力的です。応援する声をかけてくれるので、嬉しいですよ。立っているからこそ、みんなが安全運転を心がけてくれる訳ですし、立っていない時は、スピードを出す車も少なくないですから。あとは、このジャンパーとキャップを付けていないと、挨拶しても不思議がられることもあって。覚えてくれてはいるのでしょうけど、お互い戸惑ったり、なんてこともありますね。
――校区全体が大家族のようにも思えます。
ハツラツするのは子供たちだけではありません。自分たちにとっての交流でもあり、元気の素です。グループみんなで一緒に活動できることが、とても嬉しいんです。ダーツやグランドゴルフもわきあいあいとやってますし、打ち上げも楽しみのひとつです。在籍する41名は、平均年齢80歳くらいで、この校区にずっと住んでいる方ばかり。創立50年を迎える若宮小学校と共に、時間と気持ちを重ねていきたいですね。雨にも負けず風にも負けず、子供たちも自分たちも怪我をしないように気をつけながら、地域教育の旗振り役として、まだまだ頑張ります!