春は色とりどりの花が咲く季節です。
うららかな日差しの下で咲く花々は、見る人の心を和ませてくれます。
先日、太宰府天満宮を訪れると、樹齢1,000年を超えるとされる神木「飛梅」が花を咲かせていました。
花梅だけでも300以上もの品種があるとされていますが、梅の花全般の花言葉は日本では「忠実」「高潔」「忍耐」の3つです。
忠実
花言葉のひとつである「忠実」は、平安時代の貴族で学問の神様として有名な菅原道真の「飛梅(とびうめ)伝説」が由来です。
平安時代、菅原道真は当時大きな影響力を誇っていた藤原氏との権力争いに破れ、大宰府(福岡県)に左遷されてしまいます。京都を離れることになった菅原道真は、日頃から愛していた庭の桜や松、梅の木との別れを惜しみ、次のような歌を詠みました。
「東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ」
現代語に訳すと、「梅の花よ、春風が吹いたら香りを大宰府にまで届けておくれ。私がいないからといって、咲く春を忘れてはいけないよ」という意味の歌です。
この時、主人との別れを受けて桜は悲しみのあまりに枯れてしまいます。松の木と梅の木は主人のいる大宰府を目指すものの、松は途中で力尽き、大宰府にたどり着いたのは梅だけでした。この伝説が「忠実」という花言葉の由来とされているそうです。
そして先日見かけたギンヨウアカシア。
日本で代表的なミモザの花言葉は「優雅」「友情」。ミモザの小さく丸い花がたくさん寄り集まって咲いている姿に由来するそうです。
またミモザは、国によって異なる花言葉をもっています。イタリアのミモザの花言葉は「感謝」、フランスのミモザの花言葉は「思いやり」「感受性」。ミモザは、どの国でも大切な人への贈り物にぴったりな花言葉をもち、お礼やお祝いのプレゼントに最適な花です。ミモザの花言葉に怖い意味やネガティブな意味は一切ないので、安心して贈ることができるお花のひとつです。
生花部 林 靖一